令和6年度 とちぎメディカルセンターしもつが 病院情報の公表

病院指標(DPCデータに基づく指標)
【集計方法と定義】
病院指標の公開については、厚生労働省より集計定義が発表されております。
当院においてもDPCデータから全国統一の定義と形式に基づいた指標を作成し、皆様に情報公開を進めております。
当院の特徴や急性期医療の現状を理解していただくことを目的として公開しています。
 
対象期間:2024年6月1日 ~ 2025年5月31日
対象患者:対象期間内に当院の一般病床を退院された患者データ
      (入院後24時間以内の死亡、医科保険外診療等のDPC対象外患者データは除外)
       患者数10未満は「-」で表示

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
【集計方法と定義】
2024年6月1日から2025年5月31日までの退院患者のうち、一般病棟に1回以上入院された患者数です。
年齢階級は90歳以上を1つの階級としています。         
        
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 85 89 132 253 433 793 1724 1663 598
 当院がある栃木市の人口は、全国的な傾向と同様に、人口減少及び少子高齢化が進行しており、高齢化率も30%を超え、年々高くなっております。
 当院も高齢化の影響を受け、60歳以上の患者さんが多い傾向にあり、全体の約80%を占めています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
【集計方法と定義】
各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類についてDPCコード、名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、転院率、
平均年齢、患者用パス(任意のため空欄)を示しています。
一般病棟の中における転科においては、主たる診療科は医療資源を最も投入した傷病の診療科で集計しています。
尚患者数10未満の場合は(-)と表示しています。          
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 125 5.09 4.54 0.00 69.06 -
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 96 9.07 9.77 0.00 64.56 -
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 54 5.11 5.50 0.00 63.06 -
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 52 3.38 3.64 0.00 60.17 -
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 50 6.68 7.05 0.00 61.70 -
 鼠径(そけい)ヘルニアは、従来の体表からの前方アプローチ法のヘルニア修復術に加えて、腹腔鏡下ヘルニア修復術も行っています。
 乳癌は通常の乳房温存手術(病期ⅡA)や術前に化学療法を行い縮小させてから行う乳房温存療法(病期ⅡB以上)を行っています。術後化学療法は外来で行い、術後放射線療法は他医療機関に依頼しています。
 胆嚢炎は、重症度に合わせて抗生剤による保存的治療や腹腔鏡下または開腹の胆嚢摘出術を行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 179 33.75 25.29 37.99 82.44 -
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 44 19.75 21.38 25.00 76.30 -
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 41 22.83 19.16 26.83 81.46 -
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 39 17.54 18.76 2.56 69.28 -
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 33 5.58 5.95 0.00 67.73 -
 地域の特性もあり、高齢患者が多いために股関節疾患、膝疾患、四肢、脊椎の外傷が上位を占めています。
 また当院は、日本で初めての診療科であるスポーツ健康科を併設しているため、成長期の運動器疾患や青少年のスポーツ障害(靭帯損傷や軟骨損傷、半月板損傷など)や中高年の関節障害(肩の腱板損傷など)などの患者も多くなっています。
 当院スタッフは、関節外科、スポーツ整形、手の外科、脊椎外科など専門性を持った医師が多数在籍しているため、外傷のみならず、内視鏡手術、人工関節手術、脊椎手術、手の外科手術などあらゆる領域の診療を行っています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 25 8.68 9.83 0.00 79.12 -
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 13 21.00 18.68 38.46 73.38 -
160100xx99x01x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病あり - - - - - -
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2なし - - - - - -
160100xx97x01x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病あり - - - - - -
 脳神経外科では、硬膜下血腫や脳血管障害(脳梗塞・脳出血・脳動脈瘤・脳動静脈奇形)、脳腫瘍、頭部外傷などの治療を行っています。患者数は、頭部外傷後に生じる硬膜下血腫が最も多くなっています。
 検査は、頭部CT、頭部MRI、頭部MRA、頭部血管造影などを行います。特に血管の異常を観察する頭部血管造影は、術前検査として大変重要です。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 138 2.01 4.29 0.00 77.26 -
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 116 2.15 2.49 0.00 77.80 -
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり片眼 - - - - - -
020220xx01xxx0 緑内障 緑内障手術 濾過手術片眼 - - - - - -
- - - - - - - -
 白内障とは眼の中のレンズ(水晶体)が濁ったために見えにくくなった状態です。
 白内障の手術(水晶体再建術)は、前もって入院のスケジュールを決め、患者さんの身体や眼の状態を考慮し、1泊2日の予定入院となります。基本的には、両眼の場合は片眼ずつ1泊2日で行います。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 58 22.19 16.89 32.76 76.33 -
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし - - - - - -
010060xx99x41x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病あり - - - - - -
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - - - - -
010060xx99x21x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病あり - - - - - -
 脳神経内科では、脳梗塞などの脳血管障害に加え、頭痛やめまいなどの機能性疾患など多岐に渡る診療を行っています。
 患者数は、当科全体の約80%を脳梗塞が占めており、その内の約40%をアテローム血栓性脳梗塞、約30%をラクナ梗塞、約20%を心原性脳塞栓症が占めています。
 当院は、栃木県の脳卒中地域拠点医療機関に指定されています。また、脳卒中発症登録事業の一環として、栃木県保健環境センターへ脳卒中症例に関する情報提供を行い、栃木県の脳卒中医療に貢献しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 118 3.00 2.45 0.00 71.83 -
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 75 6.11 6.81 0.00 75.17 -
110080xx03xxxx 前立腺の悪性腫瘍 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 54 3.00 2.59 0.00 73.11 -
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 52 3.69 2.40 0.00 59.98 -
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 42 4.90 5.16 0.00 62.40 -
 泌尿器科では、前立腺癌、膀胱癌、上部尿路疾患(腎結石、尿管結石)、下部尿路疾患(膀胱結石、膀胱炎)、尿路感染症など幅広く治療を行っています。
 患者数では前立腺生検が最も多く、次いで膀胱腫瘍に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)、前立腺癌に対する金マーカー留置術が多くなっています。
 地域連携を積極的に行い、入院にて手術を行う際は、事前に外来で入院日・手術日を検討し、入院期間を短縮させることで患者さんの負担軽減に努めています。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり 17 8.29 7.74 0.00 70.94 -
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 11 7.00 5.97 0.00 47.27 -
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 10 8.50 9.20 0.00 43.00 -
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 - - - - - -
120230xx01xxxx 子宮の非炎症性障害 子宮全摘術 - - - - - -
 子宮脱は、分娩などにより骨盤底筋が緩んで生じる骨盤臓器脱の1つです。治療としては、保存的なリングの膣内挿入と外科的な腟中央閉鎖術があります。
 良性の卵巣嚢腫は、腹腔鏡下に正常部分を残して摘出可能です。
 子宮筋腫は30歳前後から発生する良性疾患です。子宮筋腫には3つのタイプがあり外側にできる漿膜下筋腫、筋層内にできる筋層内筋腫、子宮内にできる粘膜下筋腫があります。いずれも腹式、腹腔鏡補助下、子宮鏡下に核出可能です。
 子宮内膜症は子宮筋腫と同じく30歳前後から発生する良性疾患ですが、治療しても再発しやすくまた悪性化のリスクもあります。薬物を投与する保存的治療と外科療法があります。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 79 18.62 16.40 7.59 85.06 -
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 75 2.00 2.02 0.00 61.13 -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 38 26.95 20.78 21.05 83.26 -
040110xxxx00xx 間質性肺炎 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 30 17.70 18.68 0.00 77.67 -
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 13 16.15 12.95 0.00 79.54 -
 呼吸器内科では、迅速かつ正確な診断および治療に努めています。
 高齢化社会に伴い、誤嚥性肺炎の患者さんが増加する傾向にあります。誤嚥性肺炎の治療は、抗菌薬による治療や嚥下機能の管理などを行います。
 そのほか、間質性肺炎や肺の悪性腫瘍に対しては、それぞれ気管支鏡検査や胸部X線(レントゲン)、CT検査などを行い、精査していきます。
 新型コロナウイルスが全国的に蔓延しておりますが、新型コロナウイルス診療に協力しつつも、従来の診療も減らさないよう努力しています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 100 21.26 17.33 6.00 86.54 -
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 32 5.22 4.18 0.00 71.28 -
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 29 20.72 16.40 10.34 86.93 -
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 21 4.95 3.07 0.00 74.00 -
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 13.00 9.59 13.33 84.13 -
 循環器内科は、心不全の患者さんが多くの割合を占めています。高齢の患者さんが多く、入院のたびにADL(日常生活動作)が低下してしまうことや、心不全と肺炎が合併してしまうことも珍しくはありません。
 当院では、リハビリテーション科が充実しているため、ADLの支えとなり、心不全治療の一助となっております。
 また、狭心症、心筋梗塞に対するカテーテル治療、徐脈性不整脈に対するペースメーカーの手術にも対応しています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 21 33.76 16.40 4.76 86.86 -
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 18 21.44 11.35 11.11 78.17 -
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 17 22.00 17.33 0.00 83.59 -
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 13 4.54 13.5 0.00 71.00 -
110290xx99x0xx 急性腎不全 手術なし 手術・処置等2なし 12 18.58 13.54 0.00 72.25 -
 腎臓内科では、急性腎障害から慢性腎臓病までの腎障害や腎炎、水電解質異常、腎代替療法を中心に診療しております。
 慢性腎臓病の方の多くは、生活習慣病を背景とした、心不全や糖尿病、肺炎、心血管合併症をはじめとする様々な合併症を有する傾向にあります。
 当院の各診療科や近隣の三次医療機関とも密接に連携を図りながら、地域の基幹病院として、地域の方々が安心して腎疾患の治療を受けられる体制づくりを構築しております。
糖尿病・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 18 20.94 16.40 5.56 87.72 -
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 17 16.59 13.77 5.88 68.94 -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 13 27.00 20.78 7.69 81.92 -
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - - - - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - - - - -
 当科は令和2年度から日本糖尿病学会の認定教育施設として認定されたため、それに伴い、名称を糖尿病・内分泌内科と改称しています。
 当科では糖尿病と内分泌、脂質代謝等の疾患の診療を行っています。最も患者数の多い糖尿病に関しては、糖尿病専門医を中心に糖尿病療養指導士の資格をもつ専門の看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師がチームを作り、一貫して糖尿病治療に取り組んでいます。
 初めて糖尿病にかかった人、糖尿病の知識を深めたい人、従来での治療ではなかなか糖尿病が改善しないで困っている患者さんのために、毎月第2水曜日に入院し、効率的に精査、治療、体験、勉強ができる10日間の教育入院コースを用意しています。ご利用になった患者さんのほぼ全員で改善が得られています。
 そのほか、糖尿病を持っていて肺炎や尿路感染症に罹ってしまった患者さん、甲状腺疾患や低ナトリウム血症等で入院する内分泌疾患の患者さんに対しても、入院、外来診療を行っておりますので、どうぞご利用ください。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 98 6.42 8.88 1.02 77.39 -
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 43 5.47 7.45 0.00 79.70 -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 36 16.89 20.78 19.44 85.00 -
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 34 13.26 16.40 14.71 86.68 -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 34 13.06 13.66 2.94 80.47 -
 消化器内科で最も多く治療している疾患は、胆管炎です。胆嚢から胆管へ出てしまった胆石や胆管・膵臓に出来た腫瘍によって胆汁の流れが悪くなると、細菌感染を起こして胆管炎を発症します。そういった患者さんに内視鏡下にチューブを留置するなどして、胆汁の流れを良くする治療を行っています。
 早期胃癌は2番目に多い疾患です。内視鏡的粘膜下層剥離術という電気メスで癌を削ぎ取る治療を行っています。
 誤嚥性肺炎・腎盂腎炎などの尿路感染症は入院する患者さんが多く、内科疾患として当科も担当して加療しています。
膠原病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 11 19.91 16.40 0.00 85.91 -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし - - - - - -
070560xxxxx00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - - - - -
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - - - - -
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 - - - - - -
 膠原病は、免疫が異常により、自分自身のからだを攻撃してしまう自己免疫疾患の総称です。
 もっとも多い病名に関節リウマチがあげられます。
 免疫の異常により関節の腫れや痛みが起こる病気で、手指・手首を中心に複数箇所に症状が発生することが多いです。
 肺炎は入院する患者さんが多いため、内科疾患として当科も担当しています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
【集計方法と定義】
5大癌(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌)について初発患者はUICCの(※)TNMから示される病期分類による患者数を、
再発患者(再発部位によらない)は期間内の患者数を示しています。(※)TNMとは、Tは腫瘍(Tumor)、Nは節(Node)、
Mは転移(Metastases)のことで、この3つを元にしてがんの進行度を表すのがTNM分類です。
がんの大きさや深さ、リンパ節への転移の有無、他臓器への遠隔転移の有無などから、総合的にStageを判断します。        
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 53 - - 15 - 17 1 8
大腸癌 35 40 52 41 - 70 1 8
乳癌 84 78 20 - - 31 1 8
肺癌 - - - - - - - -
肝癌 - - - - - - - -
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 UICC TNM分類とは、UICC(国際対がん連合)が採用している悪性腫瘍の病期分類です。 この集計は、同一患者が一連の治療期間に入退院を繰り返した場合でも、入院1回ごとに1人として集計する、"延べ患者"によって集計されています。
 初発とは自施設において、診断・初回の治療を実施した場合を指します。 再発とは、自施設・他施設を問わず、初回の治療が完了した後に、自施設にて患者さんを診療した場合や、治療後に局所再発・再燃または新たな転移をきたした場合を指します。
 当院は栃木県指定の「がん治療中核病院」として、手術、抗がん剤治療を行い、放射線治療については近隣の医療機関と連携しつつ、患者さんに合わせて治療法を選択し、地域と連携しながら総合的に管理しています。
 集計の特徴としては、胃癌は初発が多い傾向にあり、内視鏡治療が数多く行われています。 大腸癌は初発、再発共に多く、全ステージでの治療を行っていることを表しています。乳癌は初発が多い傾向にあります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
【集計方法と定義】
成人の(※)市中肺炎について、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を示しております。
重症度分類はA-DROPスコアを用いています。
(※)市中肺炎とは病院外で日常生活をしている人に発症する肺炎です。インフルエンザ等のウイルスによるものも含まれますが、
集計からは除外しています。
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 18 9.67 51.11
中等症 172 20.41 81.99
重症 55 19.84 86.33
超重症 17 19.65 86.59
不明 - - -
 当院では、軽症~超重症患者まで幅広く受け入れております。
 近年の傾向としては、全体の患者数が増加しており、重症以上の患者数も多くなっています。
 年齢層でみると高齢者の肺炎が多く、より高齢になるほど重症度が高くなる傾向にあります。
 慢性閉塞性肺疾患や間質性肺炎などの呼吸器疾患の患者さんは再発しやすいため、繰り返し入院となることがあります。
 また、他臓器の基礎疾患がある患者さんは重症化しやすいため、呼吸器疾患リハビリテーションを早期から行っています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
【集計方法と定義】
医療資源を最も投入した傷病名が虚血性脳血管疾患の患者さんを対象に、発症から入院までの日数別に、「3日以内」「その他」に分けて
患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示しています。         
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 83 27.13 77.43 30.21
その他 13 27.62 78.38 7.29
 脳梗塞は、高齢者に多く発症する傾向にあります。 脳梗塞とは、脳の血管が細くなったり、血管に血栓(血のかたまり)が詰まったりすることで、脳に酸素や栄養が送られなくなってしまい、脳の細胞が障害を受ける病気です。
 脳梗塞は、詰まる血管の太さやその詰まり方によって、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症に分類されます。
 急性脳梗塞は、臨床病型に応じた点滴治療や全身管理、リハビリテーション等の治療を迅速に行うことが重要です。ろれつが回らない、片方の手足が痺れるなど、体の異常に気づいたときは、救急隊に連絡するなどして早急に受診してください。
 また、当院は栃木県の脳卒中専門医療機関・地域拠点医療機関として、救急体制を整え、救急車を積極的に受け入れております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
【集計方法と定義】
診療科別に手術件数の多い順に3術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢及び患者用パス(任意のため空欄)を示しております。手術術式のKコード(点数コード)による集計ですが、輸血関連は除外しております。術前日数は入院日から手術日まで(手術当日は含まない)の日数、術後日数は手術日から(手術当日は含まない)退院日までの日数としています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 84 1.38 3.92 0.00 60.73 -
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 69 1.74 2.32 0.00 72.57 -
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 64 1.48 6.66 0.00 66.33 -
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 56 1.23 2.89 0.00 64.73 -
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 55 1.15 3.04 0.00 62.76 -
 胆嚢(たんのう)結石症や胆嚢炎は基本的には腹腔鏡下手術で行います。
 鼠径ヘルニアに対しては、人工布(メッシュ)を用いて修復するLichtenstein(リヒテンシュタイン)法を中心に数多く実施しています。
 腹腔鏡下ヘルニア修復術も増加しております。
 乳癌では診療ガイドラインに沿って手術法を選択し、乳房温存療法や乳房切除術が行われます。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 136 4.72 23.32 30.88 80.37 -
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝/td> 102 2.71 15.77 12.75 72.60 -
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 67 6.22 28.52 40.30 83.48 -
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 44 4.00 6.70 2.27 61.45 -
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他 43 2.02 4.37 2.33 53.79 -
 当院は急性期病院であるため、外傷、骨折などに対する手術が最も多くみられます。
 患者さんの高齢化に伴い、従来最も多かった股関節のみならず、膝関節、肩関節などに対する人工関節手術が著しく増加しています。
 また、成長期のスポーツ障害、軟骨障害に対する関節内手術、靭帯再建、半月板手術、さらに中高年の関節障害に対する手術なども著しく増加しています。
 その他、手の外科、脊椎外科に加え、手などの小関節や脊椎に対する内視鏡手術など、特殊な手術も多数行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 20 0.50 9.20 0.00 81.90 -
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの - - - - - -
K164-5 内視鏡下脳内血腫除去術 - - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの - - - - - -
K171-21 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術 下垂体腫瘍 - - - - - -
 頭部外傷後に生じる慢性硬膜下血腫に対して行う慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が最も多くなっています。 高齢者に多い疾患で、通常30分程度で治療が可能です。
 脳腫瘍に対する摘出術や脳血管障害(くも膜下出血・脳内血腫)に対する開頭術や血管内手術など、それぞれの症例に応じたテーラーメイド医療を行っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 247 0.00 1.05 0.00 77.32 -
K279 硝子体切除術 - - - - - -
K2684 緑内障手術 緑内障治療用インプラント挿入術(プレートのないもの) - - - - - -
K2683 緑内障手術 濾過手術 - - - - - -
K2681 緑内障手術 虹彩切除術 - - - - - -
 水晶体再建術の目的は濁った水晶体を取り除くことです。特別な事情のない限り、失われた水晶体の働きを補うため、手術前に計算された度数の眼内レンズを同時に移植します。
 両眼のバランスを考え眼内レンズの度数を決めます。入院当日に手術を行い、翌日退院となります。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 76 1.05 4.20 0.00 75.71 -
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 54 1.00 1.00 0.00 73.11 -
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 52 1.35 1.58 0.00 60.48 -
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 49 1.92 2.92 0.00 63.04 -
K841-5 経尿道的前立腺核出術 46 3.02 6.61 0.00 75.70 -
 膀胱癌には、経尿道的膀胱腫瘍手術(TUR-Bt)を行います。全身麻酔あるいは脊椎麻酔下で、尿道から手術用内視鏡を挿入し、病巣部を電気メスで切除します。
 結石には、体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(ESWL)を行います。外科的手術は行わず、身体の外から結石に向けて衝撃波を当て、身体を傷つけることなく結石を粉々に砕き、尿と一緒に身体の外へ流す治療法です。
 また、経尿道的尿路結石除去術(TUL)という治療法もあります。これは、尿道に尿管鏡という内視鏡を挿入し、結石をモニターで観察しながらレーザーを用いて砕石し鉗子で摘出を行う治療法です。
 モニターで観察しながら行うため、確実に砕石、摘出を行うことが可能となります。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8531 腟閉鎖術 中央腟閉鎖術(子宮全脱) 14 1.50 5.86 0.00 70.43 -
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 11 1.00 5.00 0.00 47.27 -
K877 子宮全摘術 - - - - - -
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 - - - - - -
K8654 子宮脱手術 腟壁形成手術及び子宮全摘術(腟式、腹式) - - - - - -
 子宮脱に代表される骨盤臓器脱は、分娩で骨盤底筋群が損傷し緩んでしまうために生じます。これらの治療法には、保存的に行うペッサリー挿入や外科的処置として膣中央閉鎖術、腟式子宮全摘出術+腟壁形成術などがあります。
 良性の卵巣嚢腫は、成熟奇形腫、チョコレート嚢胞、漿液性嚢胞など複数存在します。これらを手術する方法として腹腔鏡下手術があります。嚢腫のみの摘出で正常組織を残すことも可能です。
 子宮筋腫が原因で手拳大よりも大きくなった子宮は、鉄欠乏性貧血を引き起こし、辛いお腹の張りを引き起こします。腹式、腟式に子宮全摘出が可能です。
 良性の子宮疾患として子宮筋腫があります。子宮筋腫には外側に出来る漿膜下筋腫、筋層内に出来る筋層内筋腫、子宮内腔に出来る粘膜下筋腫があります。いずれも、腹腔鏡下、子宮鏡下に子宮筋腫のみ核出することが可能です。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの       26 2.15 4.19 0.00 71.31 -
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 14 1.07 4.29 0.00 69.93 -
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 - - - - - -
K597-2 ペースメーカー交換術 - - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - - -
 循環器内科では、虚血性心疾患に対する、心臓カテーテルを用いた検査および治療を多く行っています。
 最も件数の多い経皮的冠動脈ステント留置術とは、狭くなっている血管をバルーンで広げ、ステント(円筒形の網)を留置して、血管が広がった状態を保つ手術です。
 また、ペースメーカーの新規植え込み、交換なども行っており、今後より件数を増やし、力を入れていく予定です。
 退院後は、かかりつけ医と連携して、経過のフォローアップをさせていただいております。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 77 1.38 7.21 5.19 79.31 -
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 45 0.20 4.27 0.00 79.93 -
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 38 2.92 6.05 0.00 76.55 -
K654 内視鏡的消化管止血術 22 2.32 7.55 13.64 74.32 -
K6872 内視鏡的乳頭切開術 胆道砕石術を伴うもの 16 0.75 5.75 6.25 78.94 -
 内視鏡的胆道ステント留置術は、胆管や膵臓にできた癌により胆管が狭窄や閉塞した場合に、ステントというチューブを入れて広げる治療です。
 内視鏡的粘膜下層剥離術は早期胃癌・大腸癌などに行われる標準的な治療です。電気メスで腫瘍を削ぎ取る治療です。
 内視鏡的乳頭切開術は、胆汁の出口である十二指腸乳頭を電気メスで切り広げて、胆管炎の原因となる胆管結石を内視鏡で取り除けるようにする治療です。その後、内視鏡的胆道結石除去術を行っています。大きな胆管結石は破砕して採石します。
 胃潰瘍・十二指腸潰瘍からの出血に対して、内視鏡下にクリップなどを用いて止血術を行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
【集計方法と定義】
医療の質の改善に質するため、臨床上ゼロにはなり得ないものの少しでも改善すべきものとして、最も医療資源を投入した傷病名が
播種性血管内凝固、敗血症、その他の真菌症、手術・術後の合併症について、入院契機病名の同一性の有無を区別して
対象患者数と発生率を示しています。         
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 28 0.48
異なる 12 0.21
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 18 0.31
異なる - -
  敗血症は細菌などの病原体によって引き起こされる全身性の炎症反応症候群です。
 ショック状態、播種性血管内凝固症候群、多臓器不全などを引き起こし、危険性が高く重症化しやすい状態です。
 敗血症や手術・処置後に起こる合併症は、臨床上ゼロにはなりえないものの、少しでも改善するべきものとして、努力を行う必要のある項目です。
*「入院契機と同一」とは入院した時と同じ病名、「入院契機と異なる」とは入院した時は別の病名だった場合になります。
○医療の質指標
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
986 897 90.97
 肺血栓塞栓症は、太ももやふくらはぎの筋肉の層にある静脈(下肢深部静脈)に血栓ができ、その血栓が何らかの拍子に肺に到達して肺の血管に血のかたまり(血栓)が詰まって発症します。
 血栓ができる主な原因は、寝たきりの状態や手術時あるいは手術後、下肢の骨折で自由に動けないとき、高齢など、足の血流が悪くなることでできやすくなります。
 肺血栓塞栓症の予防は、その原因となる下肢深部静脈血栓症を予防することです。
 当院では、患者さんの状態に応じて弾性ストッキングの着用や積極的な歩行、足先上げ下げ運動、血液を固まりにくくする薬の使用などの予防策をとらせていただきます。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1693 1440 85.06
 血液培養は、患者さんの血液から病原体である細菌や真菌などの微生物を培養し検出する検査です。
 菌血症や敗血症といった重篤な感染症の診断に用いられます。
 血液培養で原因菌を特定することで、適切な抗菌化学療法を行う事ができます。
 血液培養を1セットではなく2セット行う事で、検出率の向上とコンタミネーションを判断しやすくなり、抗菌薬の適切な選択と早期治療に有効とされています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
872 765 87.73
 広域スペクトル抗菌薬は、グラム陽性菌からグラム陰性菌まで広い範囲に対して効果が期待される抗菌薬です。
 その中で、カルバペネム系抗菌薬に耐性の腸内細菌科細菌などの新たな耐性菌が出現していることが問題となっています。
 不適切な抗菌薬の使用は耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、抗菌薬投与開始前に適切な培養検査を行い、原因菌判明後は標的治療として狭域の抗菌薬を選択、変更する事が重要になっています。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和(分母) 退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率[‰]
74846 221 2.95
 転棟・転落が発生した際はインシデント・アクシデントレポートを作成・報告し、再発防止に努めております。
 ※発生率は千分率[‰]で表示しております。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和(分母) 退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率[‰]
74846 31 0.41
 インシデント影響度分類レベルとは、様々なトラブルが発生した際に患者様への影響度を分類したものになります。
 レベル3bは、インシデント発生により濃厚な治療や処置が必要になった場合をさします。
 ※発生率は千分率[‰]で表示しております。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
1606 1587 98.82
 手術部位感染(SSI)が発生すると入院期間が延長、医療費が増大し、病院と患者双方に不利益となります。
 予防のため、手術前抗菌薬投与があり、抗菌薬の血中濃度を適切に保つことでSSIを予防できる可能性が高くなります。
 手術開始一時間以内の投与ができているかモニタリングしています。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
除外条件に該当する患者を除いた
退院患者の在院日数の総和(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
69174 74 0.11
 褥瘡は寝たきり等によって、体重で圧迫されている箇所の血流が悪くなることで、皮膚の一部が赤い色味を帯びたり、傷ができてしまうことです。一般的に床ずれともよばれています。
 褥瘡発生の予防策として、体圧分散用具(長時間、同一部位にかかる圧力を減少させるなど褥瘡発生予防ための用具)を使用しています。
※下記条件に該当する場合は分母から除いております。
【除外条件 ① 】同一の日に入院及び退院した患者
【除外条件 ② 】「様式1:A001040:入院時の褥瘡の有無」の先頭1桁目が「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」または「9」
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
4309 4183 97.08
 当院では従来までSGAを用いて栄養アセスメントを実施しておりましたが、2024年6月に行われた診療報酬改訂に伴い、GLIM基準に基づいた栄養評価法に切り替わりました。今まで院内独自の方法でアセスメントを行ってきましたが、GLIM基準に切り替わってから統一されたアセスメント方法で栄養評価を行っております。
 当院では入院された患者さんに対し、早期からほぼすべての割合で栄養アセスメントを実施しており、低栄養またはそれらを疑う患者さんの早期発見、および効率的に栄養評価を行う事を目的としております。早期に低栄養またはそれらを疑う状態が見られた場合、疾患や喫食率の状況を確認し、必要に応じてNSTサポートチームへの介入を促しております。また特別食に関する疾患が見られる場合も、引き続き患者さんに食事指導を積極的に行っております。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
74846 10384 13.87
 身体的拘束とは、抑制帯等、患者さんの体または衣服に触れるなんらかの用具を使用して、一時的に患者さんの体を拘束し、その運動を抑制する行為のことを指します。四点柵ベッドの使用も、患者さん自身で取り外せない場合は身体的拘束に含まれます。
 当院では、身体的拘束に関する院内基準があり、安易に身体抑制をするのではなく、それに変わる方法がないか十分検討を行い、治療上やむを得ない場合に実施しています。この指標を追跡しながら、身体抑制の実施率を低減できる方法や短期間で解除できる努力をしています。
更新履歴
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2025/ 10/1
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2024年度 病院指標を掲載しました。
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